右肩上がりに
増えていったその先は
どこにたどり着くんだろう。
会社勤めをしていたとき
僕はいつも、そんなことを感じていました。
拡大していく数字、そして膨張していく世界
いろんな職場を渡り歩いたけど
営業職が多かった僕は
「モノやサービスを売る」
という役割の下で、
「会社の売り上げを作る」
まさにその最前線にいました。
その営業という役割に課せられた
ノルマを達成することに
みんなが必死になっていて
なんとかそのノルマを達成すると
次の期には、ノルマの数字は増えていて
前期のそのノルマの達成が
どれほど必死に成されたものなのか
そのプロセスを
冷静に分析するよりも
会社が拡大していくため
というお題目の下
より大きい数字と
より大きなノルマを設定し
またその数字を必死に追いかける日々が
終わりなく繰り返されていく。
そんな職場を
いくつもいくつも目にしてきました。
終わりなき拡大レースの世界
拡大するのは良いこと
だから拡大し続けなければいけない
そんな価値観が
当たり前に会社そのものの前提条件としてあって
どんどん増えていって
どんどん大きくなって
進めば進むほど
疲弊とひずみを生んでいく
その終わりのない拡大レースに
ついてこれる人だけが残っていって
その終わりのない拡大レースに
貢献できる人だけが存在を承認されて
そんな職場を
いくつも目の当たりにしてきました。
みんなが当たり前に
まるで強迫観念のように目指している
その拡大というお題目が
「何のために」、そして「本当に必要なのか」
という本質的な議論は
置き去りにされたままに。
いくつもの職場で体感してきた
走り出し、そして止まることができない
身を削ったその生存競争に
そんな現代の日本社会に
僕はずっと違和感を感じ続けていて。
もちろん、拡大するのが悪いわけじゃない。
拡大し続けなければいけない
という価値観に違和感を感じていたのだと思う。
成長しなければ衰退する
とはよく言うけれど
成長し続けることと
拡大し続けることはイコールではないから。
拡大は、成長という多様な性質の中の
たったひとつにすぎないのだから。
- 売り上げが○○円増えた
- こんなすごい人とつながった
- メディアへの露出がこれだけ増えた
いまあちらこちらで
さかんに宣伝されているそれらは
現代の日本社会で
わかりやすく評価されやすい指標だけれど
それ以外の生き方もまた
この世界には間違いなくあるのだから。
価値観の転換していく世界
7年前の今日、
日本の価値観は大きな転換点を迎えました。
拡大から縮小へ
集団から個へ
現実から本質へ
僕らはそれぞれが
まったく違う個性を持っているけれど
僕らそれぞれにとって
本当に必要なものは、とても少ないはずなんだ。
見た目の綺麗さを
重視してきたことで
日本の野菜の栄養価が
30年前の6分の1になっているように
わかりやすい良さを
いまの世の中で良いとされているものを
妄信的に追い求めることで
損ない、失われていくものがある。
それは、この世界全体がそうであるように
日本という社会もそう。
そして同じように
個人が取り組んでいるビジネスも、あるいは生き方そのもの、そう。
「刺激」から身を引く生き方へ
拡大しよう。
見ている人に刺さるような
刺激的なものを提供しよう。
刺激的なものを発信しよう。
うん、何のために?
拡大を目指した
その先はどこにつながっている?
そして、その拡大は
自分にとって本当に必要なものなのかな?
その問いは
忘れてはいけないのだと思うんです。
拡大していくものって
すごいよね、かっこいいよね。
目立つし、わかりやすいよね。
その目立ち、わかりやすいものは
刺激となって興奮を呼び起こします。
楽しいよね、気持ちいいよね。
でもね、
興奮しているときは
それはとても気持ちいいけれど
興奮状態のままでは
夜眠ることができないように
興奮という刺激ばかりを求めていくと
塩辛く濃い味ばかりに慣れて
微細な出汁の味がわからなくなるように
身体を休め、感じたり味わったりする
「深さ」は得られなくなってしまうように
拡大という刺激ばかりの生活は
どこかで必ず大きなひずみを生んでいく。
そのことを、
僕らは7年前に学んだはずだから。
終わりなき拡大の世界から、流れと循環の世界へ
刺激を楽しむときは
楽しんだらいい。
拡大が必要だったら
取り組んでみたらいい。
けれど、
創造の後には破壊があるように
始まりの後には終わりがあるように
拡大の後には縮小がやってくる。
そのことを最初から意図したうえで
いま必要だからと
自分の意志で選択して拡大に取り組む
というみずからの覚悟と選択が
あるかどうかは
やがて、とても大きな違いと
なって現れてくるのだと思うのです。
昼に目いっぱい身体を動かした後は
クールダウンして休息をとるように
目立ち、わかりやすいものを楽しんだら
静かにゆっくりと、いまを味わう場に身を置こう。
本当に必要なものは
そんなに多くはないはず。
その本質的なものだけを残したとき
そこにこそ本来の、そして本当の力が宿る。
そのことを、
僕らはもう知ってるはずだから。
本当に必要なものは何だ?
本当に望む生き方は何だ?
その答えは、
すでにあなたの中にあるはずなんだ。
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